ユーロ下落、ドル上昇

昨日ドル円は７７．４８まで上がり、その後調整していたのですが今朝７７．５４まで上げました。ドル円はショートカバーが入っているのか上げていきそうな感じですがユーロは予断を許さない状況で昨日は１ユーロ102.70円まで下がりました。それでも先月１０１．６４まで下がった事を思えば食いとどまっているともいえます。この１０１円を一気に抜ける事があれば年内に相場全体がひと暴れするのですが、EUの情勢次第です。
　ユーロ共同債を発行する準備にかかったようですがドイツは反対していますし、なかなか欧州財政不安は解消しないのではないかと思われます。そもそも過去５回もデフォルトしているギリシャが入っている時点で爆弾を抱えているようなもので、共通の財政政策、通貨というのをやめるべきなのですが、それではそもそも何のためのEUなのかという話になってくるので、本当に相当根が深い問題です。
　ギリシャはEUからの救済案に対して国民投票を決行しようとしましたが、これは狂気の沙汰ではなく、ギリシャ市民からすればその方が利益になると判断したからです。なぜなら、ギリシャ国債は他の国からの購入がほとんどで、ギリシャがデフォルトすればドイツやフランスの方が困るという一蓮托生の運命を辿っているので、ギリシャ市民はデフォルトして一からやり直したいという思いがあるのです。個人でいえばもう自己破産をしたい状態といえます。
　過去５回もデフォルトした国の国債を買った方が悪いのか、ギリシャという国が悪いのか分かりませんが、EUは待ったなしの運営を迫られている事は確かです。